皆様には師走のお忙しい中、標記講演会にご参加いただき、誠にありがとうございました。講演会の資料および講演時の動画を公開させていただきますので、ご活用ください。

開催案内(事前案内時)

標記講演会をご案内させていただきます。

国連ICG(International Committee on GNSS)は、世界の衛星測位を平和裏かつ持続的に利用するための委員会です。その活動を推進するワーキンググループの中に、衛星測位の応用を広めるための活動を推進するApplication Subgroup(以下、AppSG)があり、日本が共同議長を務めています。AppSGでは、国連の目標である持続可能な開発目標(SDGs)の実現と地球温暖化による影響緩和に役立つ衛星測位利用事例を集めて世界に発信する事を目的として、 “GNSS Applications: for Present and Future” というタイトルのBookletの発刊に向け、鋭意、事例の収集を行っています。

現在、企業・団体の皆様にはBookletに掲載予定の実際に事業で利活用している衛星測位の応用事例等を募集中であり、この内容を本講演会で発表頂きます。

つきましては、世界に誇れる日本の高い技術力・応用力に触れられるまたとない機会でございますので、是非、ご参加を賜りたく、ご案内申し上げます。

参加ご希望の方は、下記の参加申込方法から参加登録をお願いいたします。

概要

  • 名称:SDGs達成と地球温暖化影響緩和に貢献する衛星測位応用事例講演会
  • 開催日時:2022年12月13日(火)開場13:30、講演14:00~16:45
  • 開催形態:機械振興会館(B2)ホールとリモート(MicrosoftTeams)のハイブリッド形式
    (機械振興会館アクセス方法 http://www.jspmi.or.jp/kaigishitsu/access.html
  • 主催:一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構(J-spacesystems)、高精度衛星測位サービス利用促進協議会(QBIC)
  • 参加費:無料

プログラム

No.進行/題目登壇者と講演概要時間
開場
、事務連絡
14:00
1開会挨拶         
(含.ICG-16報告他)   
三神 泉
J-spacesystems衛星測位事業本部長、常務理事
14:05
2来賓挨拶
(代読)
新藤 義孝
自由民主党G空間社会実装委員会 委員長
、衆議院議員
14:20
3講演
3-1準天頂衛星「みちびき」利用によるプレジャーボートの自動離着岸システムプレジャーボートの着岸(着桟)は飛行機の着陸と同じか更に難しく事故が多い。それがプレジャーボートの普及に対する大きな阻害要因と捉えた演者は「みちびき」の驚異的な精度を活用し、プレジャーボートの安全な離着岸システムを製品化しようとしている。既に実証実験も終え、製品化段階に入っている当プロジェクトについて紹介したい。これはまた、大型船舶についても適用可能と考えている。
【山本 茂 ニュージャパンマリン九州(株)取締役社長】
14:25
3-2準天頂衛星を活用した除雪車の自動化冬期の高速道路の除雪作業は、複数の除雪車が連携し、夜間や吹雪等により視界が不良な状況でもお客様の車や雪に埋もれたガードレール等への接触を避け、安全かつ的確に一定の道路幅や平坦な路面を確保するものです。これらの車両のオペレータには、滑りやすい雪氷路面の運転と同時にcm級の作業操作精度を携えた高度な技能に加え、橋梁やガードレール等の道路構造や施設の位置に精通している必要があります。沿線の農家や建設会社からオペレータを募っていますが、近年の少子化に伴い、熟練技能者の高齢化や作業員不足が懸念されています。このため、NEXCO東日本では、準天頂衛星による高精度測位情報を利用して除雪車の走行や作業操作の自動化や除雪車の位置や角度等を表示する運転支援モニタにより、熟練オペレータに依存しない除雪車の開発を進めている。これにより、冬期交通の安全、定時性の確保や大雪等の災害対応を迅速化し、少子高齢化社会における地域社会や経済の持続的発展に貢献します。
中谷 了 東日本高速道路(株)
 技術本部 シニアエキスパート
14:40
3-3GNSS技術と自然のしくみを活かす環境土木の開拓(日本人として)江戸時代、大分出身の三浦梅園は自然のしくみを勉強の大切さと相反と考え、明治時代、横井小楠は西洋のビジネス思考で生きてれば必ず人間は息詰まると指摘、昭和時代、鳥居信平は台湾の地下ダム建設において自然のしくみを活かした土木の存在を実践で証明、平成時代、高田宏臣は力ずくの土木思考から山も生きる土中環境を活かした思考土木の重要性を提唱、令和になると、最先端の技術の導入と真の産学連携による過疎地問題等の社会課題へのみんなの智慧、助け合いによる取組が問われている。時代と共に社会課題は変わるが、私達1人1人が果たすべき役割に気づき、感謝することができれば、みんなが智慧を出せる空間・場の創出と、最先端技術の導入によって自然のしくみを活かす土木の在り方と私たちの生き方に変化が生まれると思う。本稿では、株式会社コイシがこの経営理念を基にGNSSを始めとした最先端技術の活用を介して取り組む、環境土木の開拓について紹介する。
小原 文男 (株)コイシ 代表取締役、
 小原 隆弘 (株)コイシ 社外取締役
14:55
3-4自律化が生み出す新しい土木工事の取り組みと温暖化対策への挑戦
~施工者目線における新たな戦略~
SDGs9「産業と技術革新の基盤を作ろう」と12「つくる責任・つかう責任」の取り組みです。自律化重機の開発を建設重機製造メーカに頼らず、建設産業で仕事をする建設会社として、技術をコアに、新しい産業や新技術を使える様にする取り組みがSafeAIと大林組の取り組みです。合わせて、今後建設重機の脱炭素として、こちらも重機メーカに頼らずに電動化を促進するプロジェクトを進めており、バイオマス燃料による脱炭素ではなく、一気に脱炭素を進める事にしています。小型重機の電動化は進められてきておりますが超大型重機の電動化へのチャレンジを更に加速させていきます。
【杉浦伸哉 (株)大林組
ビジネスイノベーション推進室 担当部長】
15:10
3-5衛星測位を利用した沿岸と中山間地域の課題解決北近畿の沿岸と中山間地域では人口減少が続いており、多様な地域課題を抱えている。関係機関の方針・理念を調査したところ、課題群はおおむね4つに分類できて、SDGsのウェディングケーキを基にしてSDGsと紐づけできることが分かった。
また北近畿の20余のステークホルダからなる地域プラットフォームを設立したが、SDGsを踏まえた話し合いを経て次の課題に取り組んでいる。1)漁業従事中の落水による海上遭難者の早期発見システム、2)サル、イノシシ等の位置決めによる獣害対策システムである。
測位衛星のデータを利用して対象に取り付けた子機の位置決めを行い、親機へ920MHzのサブギガ帯の通信により救難情報を発信する。実証実験では40kmと200kmの通信を確認している。
全体の方針は以下の通りである。1)SDGsを遵守する、2)経済的に自律するなど持続可能とする、3)通信網は国・自治体などの通信インフラを使用する、4)受信機のゲートウェイはキャリアの網を通じてクラウドに送信する。基本構成は海上と陸上で共通であるが、ヒト・動物のなどの対象、防水仕様のレベル、相互通信時の情報種別、子機・親機・基地局の仕様、電源供給ほかを検討しながら、社会実装を進めている。
内海康雄 舞鶴工業高等専門学校 校長
15:25
3-6スマート農業分野における環境対応スマート農機を稼働時間削減による化石燃料削減、精密位置利用による可変施肥、スポット散布による化学肥料削減による環境負荷軽減など精密測位情報を利用することによる農業分野での事例を紹介する。
小林 伸行 (株)スマートリンク北海道
 常務取締役
15:40
3-7水産業を護る漁業者のための漁業者支援サービス「トリトンの矛」と救難位置通報システム「アルテミス」弊社が取組んでいるスマート水産業の推進と衛星測位応用事例として、漁業者支援サービス「トリトンの矛」、救難位置通報システム「アルテミス」についてお話させていただきます。
【水上陽介 オーシャンソリューションテクノロジー(株) 代表取締役
15:55
3-8マルチモニタリングによる地盤やインフラの変動監視サービス地球温暖化等の気候変動により異常気象が増加する中で、災害を未然に防ぐため、地盤やインフラの挙動を監視する需要は年々高まっている。そのような中で、国際航業では会社を挙げて、すでにSDGsや温暖化対策に対してさまざまな活動を実施してきている。本講演では、国際航業が長年取り組んでいる衛星測位を利用した変動監視サービスshamen-netの現状や適用事例を中心に紹介するとともに、新たに定点カメラ、航空機・ドローンレーザ、SAR衛星などともセンシング技術を組み合わせたマルチモニタリングのアプローチについても説明する。さらには、屋内外測位技術と各種のセンシング技術とシナジーによる課題解決に向けた様々な事業の付加価値の向上の可能性についても簡単に触れ、国際航業の各種のセンシング・ソリューションがSDGsの達成に寄与できる十分なポテンシャルを有していることを示して講演を締めくくる。
津野 浩一 国際航業(株)先端技術・事業開発部 調査企画グループ 技術担当部長】
16:10
3-9異常気象による災害減災のための「みちびき海象ブイ」の事例紹介高波や異常潮位及び洪水のリアルタイムモニタリングや、台風や線状降水帯の予測に不可欠な外洋における気象海象情報の収集を小型軽量なブイを用いて可能にした。ブイ(みちびき海象ブイ)には、みちびき準天頂衛星対応の受信機が搭載されており、計測した高精度な測位情報と人工知能(深層学習)を活用してcm精度の水位や波の高さ及び流れの変化をリアルタイムにモニターすることができる。これまでの活用事例を紹介し、これらの計測データから予想される災害情報をタイムリーに地元住民に配信することにより、自然被害の減災に貢献できればと考えている。
伊藤 喜代志 (株)ブルーオーシャン研究所 代表取締役
16:25
事務局連絡16:40
閉会16:45
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  • 本イベントは、事前申込により、どなたでも無料で会場又はオンライン参加ができます。事前申込の方には後日、会場/オンライン参加要領をメールで連絡させていただきます。
  • 会場参会者数は、密を避けるため、講演者・スタッフを含めて100名以下に制限します。会場参加できない方は、当日のオンライン配信をご覧ください。
  • 次の方は会場参加をお断りいたします:来場時のマスク未着用、検温による37.5度以上の発熱、咳・風邪の症状、2週間以内の海外渡航歴、体調不良の有る方、事務局の指示に従わない方、他。
  • プログラムは開始時間を含めて予告無しに変更する場合があります。
  • 講演資料は、差し支えない範囲で後日、J-spacesystems/QBICのホームページに掲載する予定です。

講演動画(YouTube)

問合せ先

e-mail: qbic@jspacesystems.or.jp