2021.2.10

現在、センチメータ級補強サービスは国内のみに提供されており、海外向けには実証実験信号としての補強情報が配信されていましたが、いよいよ、国は海外向けのセンチメータ級測位補強の実用サービス開始に必要なシステム整備を行うことを決定いたしました。さらに、海外の電子基準点網データを用いた広域電離層補正生成・配信機能を追加整備する計画で、これにより測位結果の初期収束時間短縮が可能となります。2月4日に行われた海外展開W G会合にて、内閣府様より計画の説明がありましたのでご紹介いたします。
(詳しくは第6回海外展開WG資料

高精度測位補強サービスの海外展開は2つのフェイズで進められます。

  1. Phase 1 (2024〜2027):広域高精度補強サービス実用化&広域電離層補正の実証運用
    • 準天頂衛星(7機)システムより実用サービスとしてアジア・オセアニア地域で利用可能な広域補強信号を配信(L6E信号)
    • アジア地域3カ国程度で広域電離層補正情報の生成と準天頂衛星5-7号機からの配信実証を実施(L6D信号)
    • 実証実験実施国以外の国・地域への呼びかけとパートナーシップ協定締結
  2. Phase 2 (2028〜):実運用
    • 準天頂衛星(7機)システムより実用サービスとしてアジア・オセアニア地域で利用可能な広域補強信号を配信(L6E信号)
    • パートナーシップ協定締結国・地域向けに実用サービスとして広域電離層補正 情報を配信(L6D信号)

みちびき7機体制では、静止衛星が3機となって東西にサービスエリアが大きく広がり、また、アジアオセアニア地域では冗長性も担保され安心して使うことができます。将来的には、欧州が進めているGalileo高精度サービスとのインターオペラビリティも期待できます。WG会合では、災害・危機管理通報サービスの機能拡張のお話もありました。これまでのサービスにJアラート、Lアラート配信を加え、さらに豪・東南アジア諸国の災害情報について海外展開を行うとのことです。
いよいよ、みちびき海外サービスの展開が見えてきました。内閣府小暮様から、「企業の皆様には是非、これをターゲットにした製品開発展開を前向きにご検討頂き、海外での実証実験やデモの機会をご一緒させて頂ければと思っております。」とのコメントがありました。
Q B I Cもお手伝いできれば幸いです。

【QBIC第6回海外展開WG会合(2021年2月4日)資料より】